松倉祐希「夜夜中」「夜夜中」は「夜中」を強めていう語です。「よるよなか」と読みます。
暗くなると、心地よさ・自在さを感じ、焦慮・恐怖を感じます。その間で、1人でただ行ったり来たりしました。闇によって引き起こされる行動や情動はどれもたいして意味がないのです。それでも毎日夜が来て、無意識のうちに同じことを繰り返しているのが私です。
今日は無事に『さなぎダンス#13』の上演を迎えることができて嬉しいです。本日はお越しくださり本当にありがとうございます。
池田勇人『みじんこの唄』 監修:金滿里
「みじんこ」のような微生物。生まれるところから帰っていくところまで。
そんな想いで、作品づくりをしてきました、
今回の作品づくりの難しさは、「みじんこ」のようにどう振る舞えばいいのか? 葛藤の日々でした。そして日々の生活の中で培われてきた「自分自身を偽る、身体の癖」。それを修正していくこと。
自分の身体特性の嫌いな部分、ある種、見せたくない部分。そこを掘り下げて考え、演じるということは本当に難しかったです。
しかし、稽古を重ねていく内に、今まで味わったことのない身体の解放感を感じられるようになりました。
言葉や文章では伝えにくいのですが、ときどき身体が勝手に喜怒哀楽の表情を出すことがあり、それは「身体自体が解放されているのだ」と実感できたのです。ここが自分の中でも面白く、楽しくなってきました。
さて、今回の見どころは「みじんこ」。どちらかというと人間に好かれることは少ないと思います。「微生物ですやん…」僕もそう思います。しかし彼らの生命力は凄いと思うし、貴重だと思います。彼らを食らい生きていく魚なんていっぱいいるわけで、連鎖の極小の部分が、実は極大に繋がっていくダイナミズムを感じます。
小さな小さな生命体の中にも壮大な宇宙があり、果てしない空間へと繋がっています。
宇宙から生まれる命、そして帰る命、とても神秘的だと思います。
お客様ひとりひとりと、この特別な時間と空間を体感できたら嬉しく思います。
栗棟一惠子+MITEI NARICO
『地中の夢 〜2022 Metamor Hall〜』飛び立つ日への
準備を進める「さなぎ」
ならば
生の終わりへ向けて
ゆっくりと歩を進める
私の身体も また
「さなぎ」という名にふさわしい
[1回]
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